巣門前に白く硬い幼虫の死骸が捨てられることがあります。黒いのもあります。黒いのは日数がたったものです。これは、蛆の死骸です。白墨(チョーク)のカケラのようなので、チョーク病と呼ばれています。 

 

巣箱内を点検すると巣房内に、白く硬くなった幼虫の死骸が見られます。時には、大きくなった蛆に蓋をしていない巣房がある場合があります。少し黄色みを帯びていて死んでいます。これはまもなく硬くなります。硬くなったら、外に運び出され、捨てられます。

 

チョーク病の原因はカビです。梅雨時期や長雨が続くと、発生します。チョークはどこでも一般的に発生することです。強群でも発症しますし、弱群でも発症します。日当たりや風通しの良い場所でも発症しますし、日当たりや風通しの悪い場所でも発症します。たくさんの蜂群を飼育していると、全群が発症するのではなく、こちらでポツリ、あちらでポツリと発症します。

 

専業養蜂家でチョーク病を気にする人はまずいません。間もなく自然治癒するからです。チョーク病に過剰反応は不要です。木酢とかヒバ油とか、いろいろ民間療法が存在しますが、科学的、学術的裏づけのあるものはありません。自然治癒以上の効果はありませんが、すればデメリットがあります。要注意です。

 

<予防策>

前述のように強群でも、日当たり良く風通しの良い状態でも発症しますから、完璧な予防策というのはないと言えます。

 

<治療策>

蜂たちはチョーク状になった死骸をどんどん運び出し、捨てます。同時に巣箱内を隅々まで、舐めかじり、カビを一掃します。カビを退治してしまえば、自然治癒します。通常3週間程度で完治します。

 

このカビ一掃作業には労力が必要です。ですから、強群でも3~4枚の養成群でも、充満状態は絶対に必要です。蜂場内を日当たり良く風通しの良い状態にしておくことは当然ですが、なによりも巣箱内を充満状態にしてあげることです。ミツバチの自己回復力を信じ、自然治癒を待つことです。これが最善の治療策といえます。

 

チョーク病には予防薬も治療薬もありません。薬がないということは、薬が要らないということなのです。自然治癒するからです。薬の開発の必要がないのです。

 

<感染について>

チョーク巣碑を他の巣箱にもって行かなければ、他の箱には移りません。感染について過剰な心配は不要です。チョーク病が回復した蜂群は他の蜂群より、勢力的に巣箱内の掃除を行うように見受けられます。殺菌力のあるプロポリスを巣箱内隅々まで薄く塗るだけでなく、巣門前や巣門近くの巣箱外板まで、かじり、掃除し塗ります。自己防衛策を講じているのだと思います。

 

<情報>

 

 

 

 

 

チョーク病については、ミツバチの病気の中でも特に、民間療法をはじめとする様々な不確かな情報が氾濫し、混迷しています。家畜保健衛生所の発信する情報やアドバイスと玉川大学ミツバチ科学研究センターから発信される科学的、学術的情報には耳を傾けたいものです。

 

 

 

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