養蜂業者の群殖は人工分封によります。多くは、変成王台から新王を誕生させる方法をとります。

 

 

自然分封では1群が3群くらいに増えますが、変成王台による人工分封では10枚群なら、まず3分割して、各々が6枚群になったら、それをまた2分割にすると6群に増やせます。10枚群の群勢を保ったまま、1群、また1群と親群の群勢の増えた分を分割して行き、8月になったら親群を3分割すると5月から8月上旬までの3ヶ月で、合計10~12群作れます。5月と6月の分割群は6枚群になっていたら2分割します。すると8月上旬に全部で15群くらいになります。これらは、10月までに8~10枚群にすることが可能です。

 

以上は計算上のことで、実際には、王台が作られなかったり、処女王が交尾飛行から帰らなかったり、交尾に失敗したり、産卵開始後、王蜂に異変が起きたりして思い通りにはいきません。

 

群殖にはまず巣箱が必要です。次に空巣脾が必要です。10枚群で3群増やすには30枚、6群増やすには60枚、15群増やすには150枚必要ということになります。空巣脾がない場合には購入するか巣礎枠に巣盛りさせるかします。巣礎枠に巣盛りさせる場合、たいへんな労力を要しますから、分割群では無理で、別に強群の巣盛り群がないとなかなか実現できません。

 

 

●写真は人口分封させたばかりの無王群。4~5日後には変成王台がつくられます。