内検のチェック項目


 

  ミツバチの飼育管理では、巣箱内を点検して、蜂群の成育状況を調べる作業を”内検”と言います。内検は1週間か10日毎に実施します。

 

 内検のチェック項目は多岐に渡りますから、群数が増えて来たら全群で毎回全項目をやっている訳にはいきません。今日はこれを調べる。来週はあれを確認するというように、スケジュール化して実施するのが良いです。

 

1) 貯蜜量

  貯蜜はミツバチの食料ですから、切れたら大変です。まず最初は、貯蜜のチェックです。手前側一番端の巣碑枠をチェック。全面貯蜜あるいは半分以上貯蜜があればOK。一部が蜂児圏なっている場合もあります。2枚目以降は巣碑上部に3cm幅以上貯蜜があればOK。産卵旺盛な王蜂群の場合は隅から隅まで産卵して、貯蜜する余地がなくなっている場合があります。

 

  貯蜜が上記のように充分であれば、早春以外は、花粉量を心配することはありません。花粉は

  あります。特に確認しなくてもOKです。通常、花粉は一番外側の巣碑内側や2枚目にありま

  す。


2)女王蜂の有無

  卵を確認します。卵があれば王蜂はいます。王を見なくてもOK。必ずしも王蜂を探す必要は

  ありませんが、全巣碑枠を点検していくと王蜂を見かけます。王蜂は有蓋蜂児枠にはまずいま

  せん。産卵王ですから卵巣碑枠にいます。産卵場所を探して1番外側の貯蜜巣碑枠にいるこ

  や、巣碑枠を離れて、巣箱側板や底板に行っていることもあります。


3)王台の有無

  王蜂がいるのに、王台が出来つつある場合、あるいは王台ができている場合は、その王台は次

  ぎのいずれかになります。

    あ)分封王台 --> 分封をしようと準備しています。

    い)換王王台 --> 王蜂に異常があり王蜂の交代をしようとしています。

 

  王蜂がいなくて、王台が作られている場合は

     う)変成王台 です。内検時の不手際や事故等で王蜂が死滅した時、緊急事態として働

      き蜂のうじから王を育成しています。

 

4)蜂児巣碑枠数と充満度

   10枚箱いっぱいに巣碑枠が増えても、蜂児巣碑枠ばかりではありません。時期によっては蜂児

  巣碑枠が4枚しかないといったことも起きます。ミツバチの飼育管理では、蜂群の現状把握が

  大切です。蜂児巣碑枠数を調べたら、蜂児巣碑枠上桟に押しピンなどを刺しておくと、蜂児巣

  碑枠数が一目瞭然となります。次回の点検で蜂児巣碑枠数が増えていれば、さらに押しピンを

  刺します。これは、春の建勢期や真夏の枯渇期や越冬準備期には不可欠の点検ですが、年間を

  通して実施していれば、なお良いです。群勢と言うのはは巣碑枠数ではなく蜂量です。巣碑枠

  の両面にびっしりたかっている状態が充満です。巣箱内いっぱいに巣碑枠が入っているのに、

  蜂がスカスカではいけません。

 

5)雄蜂児巣房

  巣碑枠によっては雄蜂児巣房が5分の1もあり、多量の雄が誕生して来ます。時には、貯蜜巣

  房である巣碑上部いっぱいに雄蜂卵が生みつけられることがあります。このままでは、雄だら

  けの蜂群になってしまいます。雄蜂児巣房が異常に多い巣碑枠に 上記とは別の 押しピンな

  どでマークを付けておきます。後日、雄蜂児調整を実施するためです。

 

6)  害虫のチェック

   アリ、スムシ、ダニ (ミツバチヘギイタダニ)などが巣箱内に進入し、巣碑枠上桟や愛蜂に

   たかっていることがあります。

 

7)ミツバチの病気のチェック

   チョーク病 、  ふそ病など

 

8)飼育施策の結果確認

   巣礎に巣を盛っているか?   給餌はへっているか? など 

 

9)その他

  巣箱底のごみの有無、巣箱内への雨水の侵入の有無等