巣箱の置き場所の選定に、木陰や日陰が出来る所と言う条件がありますが。それは、真夏の猛暑のまさにこの時期のためなのです。気温が連日35度を越え、38度にもなる日があります。その上、灼熱の太陽です! 炎天下では、巣箱の蓋板は55度にもなります。この熱が、箱板を伝わって巣箱内の温度を上昇させるわけですから、大変です。

 

猛暑で人間が暑いのなら、ミツバチだって暑いです。巣箱内の温度上昇をなんとか食い止めようと、蜂たちは巣門から風を入れ、巣箱内からは温風を吐き出します。巣箱内の空気は対流しています。これに加えて、外から運んできた水を巣碑などにつけ、旋風して気化熱によって温度をさ下げています。それでも、3度さげるのが限度。育児温度が36度ですから、気温39度が限界といえます。地方によっては、真夏になると王蜂の産卵が止まります。

 

ミツバチにとって真夏の暑さは過酷で、この暑い夏を乗り切ることを越夏といいます。越夏は越冬より、難しいと言われます。ミツバチは温度を上げることは簡単に出来るけれど、下げることは上述のように小幅しか出来ないからです。

 

真夏のミツバチ飼育管理では、巣箱内が育児温度の36度以上にならないような対策が必要です。上述のように、巣箱周辺を39度以上にしないことと、巣箱を熱しないことです。直射日光はとにかく避けなければなりません。

 

アルミロールシートを利用している場合は、さらにその上から、遮光シートを被せると良いです。洗濯バサミで前後を止めれば完成です。これで、巣箱は完全に日陰に入ります。箱板が熱せられることはなくなります。遮光ネットは遮光率75%以上のものが良いです。これも、ホームセンターにあります。

 

内検や飼育作業のときは、遮光ネットをまくります。さほど手間はかかりません。